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解決済みの質問

WASI-3の結果の解釈を教えてください

31歳の男で技術職をしています。対人関係や仕事の際に問題がある為、自身の発達障害(ADHDやADD等)の可能性を考えており、先日WAIS-3を近くの病院で受けて参りました。ですがこちらの病院では、発達障害についての経験が少なく、結果についての適切な説明や今後の治療等は難しいと言われてしまいました。
本来は専門の医療機関に掛かるべきなのでしょうが、ひとまず現状の結果について詳しい方がいらっしゃいましたら、教えていただければと思い質問させていただきました。

知能指数
全検査IQ:115 言語性IQ:122 動作性IQ:102

群指数
言語理解:129 知覚統合:123 作動記憶:85 処理速度:57

下位検査評価点
言語性尺度 単語:16 類似:16 知識:13 理解:14 算数:13
      数唱:9 語音:1
動作性尺度 配列:8 完成:10 積木:18 行列:13 符号:3
      記号:2 組み合わせ:19

この結果を元に、きちんと専門の医療機関を受診すべきなのか、あるいは性格的な特徴や得手不得手など全くわからないので、教えていただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。

投稿日時 - 2014-10-03 22:53:07

QNo.8777951

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質問者が選んだベストアンサー

心理士です。

他の方から回答がつかないようですし、この結果ですと、日常生活やお仕事の上で、いろいろとお困りのことがあるだろうと思いましたので、解説を書かせていただきます。

長くなりますが、ご容赦ください。
また、以下に述べます、質問者様の知能や、認知能力の特徴は、ここにお示しになられたWAIS-IIIの数値的な結果のみに基づいていますので、実際に質問者様ご自身が思い当たられるところが、質問者様の特徴であると理解してください。
本来であれば、検査を実施した心理士が、検査結果と、質問者様からお伺いする生育歴、学生時代の学業の特徴、日常生活や仕事の上での特徴、困りごとなどとを照らし合わせて解釈する必要があります。

WAIS-IIIは、日本で(世界ででもですが)最も広く用いられている成人用の知能診断検査です。

発達障害のある方では、群指数や、下位検査の得点(評価点)にアンバランスが見られることが知られていますが、ただし、WAIS-IIIの結果だけで、発達障害の診断はつけられません。
専門の医師により、生育史を詳しく聴取した上で、心理行動上の特徴をみて診断が行われます。
その際、知能検査の結果は、参考資料として用いられます。

1.結果の見方(数値の意味)
WAIS-IIIで用いられているIQ(知能指数)や、群指数は、統計学的には、「標準得点」と呼ばれる数値です。
ある年齢集団の中で、平均的な成績を取ったときに、IQも、群指数も100となるようにつくられた、相対
的な数値です。
また、IQ、群指数とも、90~109の範囲が「平均」と評定され、この範囲に理論的には、50%の人が含まれるようになっています。

同じように、それぞれの下位検査の評価点も、ある年齢集団の中で、平均的な成績を取った場合に、
10となるようにつくられた、相対的な数値です(統計学的には、標準得点ですが、換算の仕方が、IQ
や、群指数とは異なります)。
評価点は、7~12が「平均」の範囲で、そこに50%の人が入るようつくられています。

2.全般的な知的水準
質問者様は、全検査IQ=115ですが、90%の信頼区間(測定誤差とご理解ください、質問者様の真のIQが、90%の確率で存在する区間を推定したものです)は、111~118になります。
したがって、質問者様の全体的な知能の高さは、「平均の上」にあたると考えられます。

ただし、あとで書きますように、言語性IQと動作性IQ、また、4つの群指数同士の間にも、有意差(統計的に意味のある差)が認められますので、全検査IQの数値そのものは、参考程度に理解した方が良いことになります。

2.個別の認知能力
1)言語性IQ、動作性IQ
言語性IQは、主に聴覚言語的な能力の高さを示す指標で、これに対して、動作性IQは、主に視覚-運動的な能力の高さを現します。

質問者様の場合、言語性IQ=122(信頼区間117~126)と、誤差を考えても、「平均の上」~「高い
」能力をお持ちです。
動作性IQ=102(信頼区間96~108)は、誤差を考慮しても、「平均」と考えられます。

言語性IQと動作性IQとの間には、有意差が認められ、言語性IQの方が高くなっていました。
両者の間の20という差は、8.2%の方にしかみられない、大きな差です。
したがって、質問者様の場合、聴覚言語的な能力が、視覚-運動的な能力よりも高いといえます。

なお、言語性IQと動作性IQは、臨床経験に基づく直感的な分類という意味合いが強く、最近の心理学
的研究によれば、群指数の方が、WAIS-IIIで測定される知能の構造によく適合していると考えられています。

2)群指数
群指数は言語性、動作性という区分よりも細かく、また、実証的なエビデンスに基づく認知能力の分類
です。
それぞれ、次のような能力を測定しており、また、その元となる下位検査は、括弧内に示したものです。

(1)言語理解(Verbal comprehension;VC)……言語意味の理解、言語的知識、言語的な思考・推理、言語表現などの能力(単語、類似、知識)
(2)知覚統合(Perceptual Organization;PO)……視覚的情報の統合、視覚-運動能力や、非言語的な
思考・推理などの能力(絵画完成、積木模様、行列整理)
(3)作動記憶(Working Memory;WM)……聴覚的な短期記憶の大きさや、聴覚的短期記憶に保存した
情報を使った情報処理など能力(算数、数唱、語音整列)
(4)処理速度(Processing Speed;PS)……心理的作業の速さ、視覚的な短期記憶、視覚的情報の記号化、などの能力(符号、記号探し)

質問者様の場合、言語理解=129(122~133;括弧内は、90%信頼区間を示します。以下同様)がもっとも高く、次いで、知覚統合=123(114~128)が高くなっていました。
この2つはいずれも、「高い」と評価されます。

これに対して、作動記憶=85(80~92)と、処理速度=57(54~67)は、言語理解と知覚統合の2つよりも有意に低い値でした。
また、作動記憶と、処理速度の間にも有意差が認められました。

したがって、4つの群指数の高さの間には、次のような関係が成り立ちます:

言語理解≒知覚統合>作動記憶>処理速度

しかも、作動記憶は「平均の下」、処理速度は「特に低い」という結果になり、群指数のアンバランスはかなり大きいものがあります。


3.検査結果の意味するところ
全検査IQからは、平均より高い知能をお持ちですが、さらに詳しくみてみますと、言語性IQ、動作性IQという視点からも、群指数の視点からも、認知的なアンバランスが存在しているといえます。
質問者様がお困りの点が、「対人関係や仕事の際に問題がある」としか書かれていませんが、これだけのアンバランスがおありですと、相当のご苦労をしていらっしゃるように推測されます。

言語的な知識や、言語による思考能力、また、視覚的な情報や、空間認知、視覚-運動協応は高い能力があるものの、短期的な記憶は、視覚、聴覚ともに弱く、心的作業のスピードも遅く、筆記能力は高いとはいえず、書字も丁寧に書くのはどちらかというと苦手でいらっしゃるように考えられます。

ADHDや、ADDを疑っていらっしゃるということですが、WAIS-IIIの結果からは、ADHDのある方に比較的よく見られる特徴(認知能力のアンバランスが大きいこと、作動記憶や処理速度が劣っていること)が認められます。
ただし、ここに書いた、ADHDの特徴は、「ADHDのある方によく見られる特徴」という意味で、これらの特徴が認められるからといって、ADHDの診断が下される訳ではありませんので、その点は、お間違いのないようにお願いします。

4.これからの対応
認知能力にアンバランスがある場合に、仕事や日常生活をスムーズに送ることができるようにするには、質問者様の長所や、得意な能力をうまく活かし、苦手なところ、短所にはなるべく負担をかけない、あるいは、苦手な能力を使わないで済むようなやり方を工夫することが必要です。

検査を受検された医療機関が、大人の方の発達障害は診られないということですので、なるべく早めに、大人の方の発達障害を診てくださる医療機関を探して予約をお取りになるか、都道府県や政令指定市が設置する「発達障害者支援センター」などの専門機関に、このWAIS-IIIの結果をお持ちになって、日常生活や、仕事の上でどのような点に留意すればよいか、どのような対処をすればよいか等について、ご相談になった方がよろしいと思います。

また、最近では、大人の方の発達障害について解説している、一般向けの本がたくさん出版されていますので、そういう本の中で、よ見やすいもの、分かりやすいものをお読みになって、他の方がなさっている工夫を取り入れてみることをお勧めします。

わかりやすい本であれば何でも構いませんが、私がよく紹介するのは、次の本です:

星野仁彦(著)(2011):発達障害に気づかない大人たち<職場編>.祥伝社新書#237.\780+税

著者の星野先生ご自身が、ADHDをお持ちの精神科医ですし、この本には、星野先生の診療経験から、具体的なアドバイスがたくさん紹介されています。
ご一読の価値はあると思います。

投稿日時 - 2014-10-04 19:42:34

補足

大変詳しいご回答をいただき本当にありがとうございます。

ご紹介いただいた本は早速手に入れてみたいと思います。また、医療機関は調べたところ、かなり混み合っていてすぐには受診できる状況ではなさそうなので、ひとまず行政に相談をしたみたいと思います。

対人関係については、友人いわく相手の言う事を文面通りにしか受け取れず、その真意を汲み取れていないようです。また、話している最中に話の内容がどんどんずれて行き、質問の答えになっていない事が多々ある様です。

その他の検査で以下のような結果も貰いました。もし何かご存知でしたらば、ご回答いただけると幸いです。
AQ 自閉症スペクトラム指数:29点(カットオフ値:33)
ASRS 成人期のADHDの自己金融症状チェックリスト:パートAチェック6つ

大変お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

投稿日時 - 2014-10-05 11:41:16

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回答(2)

ANo.2

No.1です。

> 対人関係については、友人いわく相手の言う事を文面通りにしか受け取れず、その真意を汲み取れていないようです。また、話している最中に話の内容がどんどんずれて行き、質問の答えになっていない事が多々ある様です。

「相手のいうことを文面通りにしか受け取れない」という点に関連して、回答では割愛させていただきましたが、下位検査の評価点のパターンを分析しますと、「有意味刺激の視知覚」という能力が弱いと考えられました。
一頃よくいわれた「空気が読めない」というところもおありかも知れませんが、それと似たところがおありなのかも知れません。

こういう点についての対処は難しいかも知れませんが、場数を踏む、振り返って考えてみて、メモに残し、ご自身の「こういう場合は、こうだ」という「事例集」といいますか、「取扱説明書」といいますか、そういうものを増やして行かれることがよいかもしれません。
親しい方などに、ご相談になって、教えを請うというのもよろしいかと思います。


「話している最中に話の内容がずれていく」という点については、群指数のうち、作動記憶が弱いという特徴と関連していると思われます。
作動記憶は、情報を数分以内という短時間、記憶にとどめておくとともに何かの心理的作業(会話もそうですし、文章を読んで理解することや、計算などもそうです)をする能力です。
短期記憶には、どれだけの情報を保存できるかという量的な面と、情報を保存しておける時間的な面の両面で制約があります。

質問者様の場合、作動記憶が弱いため、ご自身の話しておられた内容を、話をしていらっしゃる打ちに忘れてしまわれるのだろうと考えられます。
そのために、話がずれていく結果になるのでしょう。
話している内容や、キーワードなどをメモに書いて、手元に置き、時々確認するなどでそういうことを防ぐことができると思います。


その他の検査につきまして、簡単に書いておきます。

AQ 自閉症スペクトラム指数:29点(カットオフ値:33)

AQは、「自閉症スペクトラム指数(Autistic Spetrum Quotient)」の略です。

自閉症について、最近は、「自閉症であるか、否か」というとらえ方ではなく、「スペクトラム(連続体)」としてとらえることが主流の考え方になっています。
すなわち、自閉症というのは、程度の軽いもの(≒ほぼ「正常」)から、程度の思いものまで、連続したものである、と考えられるようになりました。
その「自閉症」の傾向を測定するために作られた質問紙(尺度ともいいます)が、このAQ(自閉症スペクトラム指数)なのです。

AQは、多くの自閉症の方や、健常者などを対象にあらかじめ、「標準化」という作業が行われ、それに基づいて、33点を超えると、自閉症の傾向があると判断されます。
カットオフ値とは、自閉症と「健常(定型発達)」とを判別する得点を意味します。

質問者様の場合、AQの点数が29点ということでしたから、自閉症であるとは考えられない結果だったとなります。

ASRS 成人期のADHDの自己金融(「記入」のタイプミスと思います)症状チェックリスト:パートAチェック6つ

ASRSは、成人の方に使える質問紙で、“Adult ADHD Self Report Scale”の略です。
日本語では、「成人期ADHD自己記入尺度」と呼べるかと思います。

ASRSのパートAについては、4つ以上チェックされた場合、ADHDである可能性が高いとされ、専門医による診察の結果と高い相関があることが知られています。
したがって、質問者様の場合、ADHDである可能性が高いと考えられます。

この結果から考えますと、やはり、一度、成人の発達障害を診ていただける医療機関にもご相談になることがよろしいかと思います。
ただ、質問者様ご自身も書いていらっしゃったように、成人(に限らず、児童の場合も同じですが)の発達障害を診てもらえる専門医療機関の数は限られており、予約が非常に取りにくい状況があります。

とりあえずは、これも質問者様ご自身の補足にありましたように、発達障害者支援センターや、精神保健福祉センター、あるいは、保健所などの行政機関にご相談になることが、現実的な対応だと思います。

また、工夫次第で、普段の生活や、お仕事も寄りスムーズにやれるようになると思いますので、最初の回答で申し上げましたように、是非とも、「長所」や、「得意なところ」を活用していただき、また、単著や弱点は、なるべく使用しないで済むように、あるいは、長所でカバーできるようになさるとよろしいと思います。

以上、補足申し上げます。

投稿日時 - 2014-10-05 12:43:50

お礼

本当にご丁寧にお教えいただきありがとうございます。
結果だけを見たときは今後どの様にしたら良いかと戸惑っておりましたが、ひとまず教えていただきました事で、先の見通しが掴めました。
本当にありがとうございました。

投稿日時 - 2014-10-06 00:49:17

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