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解決済みの質問

旅客機の機内の気圧低下の理由

旅客機の上昇下降時の気圧の変化で耳が痛くなる人が多いようですが、そもそも、なぜ上空で機内の気圧を下げる必要があるのでしょうか。常に地上と同じ気圧に維持しておけば良いと思うのですが。技術的に難しいのでしょうか。それとも何か目的が有るのでしょうか。

投稿日時 - 2012-08-28 20:58:55

QNo.7668531

暇なときに回答ください

質問者が選んだベストアンサー

旅客機の与圧による客室内の高度(気圧に換算した際に相当する地上からの高度)
は世界的な基準で8000ft(2400m)を上限とするよう定められ、この基準で設計
されています。言い換えると「乗客が常時耐寒服を着て、酸素マスクをつける必要
があるのでは快適性を損なうので、与圧して機内圧力・温度共上げておかなくては
ならないが、地上と同じ気圧まで加圧する必要は無く、8000ftまでなら客室
の気圧高度は下げても良い」という明確な基準が存在する事になります。

>そもそも、なぜ上空で機内の気圧を下げる必要があるのでしょうか。
これは「下げて良いと決められている」ので、下げた方が機体の構造負荷が減り
結果的に軽くなって経済性が上がるからです。この必要性から下げています。
これを地上と同じ1気圧に保ったままにすると、確かに乗客は快適になります。
しかし、ここで生じるのは現在以上に与圧圧力に耐える機体を作らなくては
ならない、という問題です。蛇足ですが、与圧航空機で最大の構造負荷はこの
与圧圧力によるものであり、旅客機の機種別の最高飛行高度を制限する理由も
また、この与圧圧力による構造負荷によるものです。

例えば747旅客機の例で考えます。
全金属製の場合、多くは外板はアルミ合金2024で、この引っ張り強度は40kg/mm^2
です。与圧は飛行毎に繰り返されますが、この繰り返し応力3~6万サイクルに対し
問題無く強度を持つためには引っ張り応力を13kg/mm^2以下にする必要があります。
ここで、747の最大与圧圧力は8.9psi (0.63kg/cm^2)となっていて、外板厚は0.62in
(1.58mm)です。このとき胴体周方向の引っ張り応力は12.9kg/mm^2となります。
今、これを地上1気圧を保つと差圧(ΔP:delta P、defferential pressure)は
10.9psi(0.77kg/cm^2)となり、計算すると必要な外板厚は1.94mmとなります。
すると外板だけ考えても23%程度厚さを増さなくてはなりません。
そしてこれだけではありません。客室ドア、貨物ドア、窓のように切り欠いた部分の周囲
やドアと窓自体も増えた圧力に耐える構造が要ります。単純に全てが2割増しになると
胴体構造重量がそっくり2割増しとなり、ペイロードがその分減ります。

>技術的に難しいのでしょうか。それとも何か目的が有るのでしょうか。
難しくはありません。相応の与圧圧力に耐える機体に設計すればいいだけです。
しかし、前述の理由で「基準以上のオーバースペック」で作る必然性が無く、
経済負担が増えるのでしない、ということになります。
例えば自動車で「100km/hで激突しても乗員が無事な」設計は普通乗用車では
行われません。レーシングカーのような構造と素材で設計すれば実現可能かも
しれませんし、その方が良いに決まっていますが、それでは誰でもおいそれと
買えない車ばかりが出来上がります。それと同じ理由が働いています。
つまり目的は「採算が合う様に設計基準を満たした範囲で軽く作ること」です。

しかしこの事情は構造素材の革新で変わりつつあります。既出ですが、新しい
複合材で作られた787は基準以下の高度(6000ft)に保てる設計で、強度的に余裕
が出て来たと言えます。これが当たり前のように満たされれば、基準そのもの
が見直される日も来るでしょうから、将来は「昔の旅客機は機内圧力が変わり
耳が痛くなった」というのは単なる語り草になるかもしれません。

投稿日時 - 2012-08-29 05:18:53

お礼

大変詳しいご説明を頂き、誠に有難うございます。よく理解できました。
実は、娘がCAで、航空性中耳炎で悩んでいるのでご質問した次第です。
「昔のCAは航空性中耳炎が職業病だった」と言われる日を待ちます。

投稿日時 - 2012-08-29 20:57:16

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回答(6)

ANo.5

旅客機の胴体の外側の構造材の厚さをご存知ですか?
なんと1~2mm程度しかありません。(とはいってもそれ1枚で隔てられているわけではないのですが)
よく鉄の塊が空を飛ぶなどといいますが、あの大きさの鉄の塊を飛ばすにはとてつもない揚力が必要です。飛ばすためには機体は可能な限り軽くないといけないのです。

これだけ薄い構造体なので両面で大きな圧力差があると簡単に変形します。通常の飛んでいるときも少しばかり膨らんでいるのです。

機体の中の圧力を下げることで内外の圧力差を小さくし、機体の変形を抑えているのです。

投稿日時 - 2012-08-28 21:31:54

お礼

有難うございます。
ぎりぎりの設計ということなんでしょうね。

投稿日時 - 2012-08-29 20:46:58

ANo.4

高空を飛ぶ飛行機のエアコンデションは
主機関のエンジンですべて賄えます。
温度はエンジンの熱交換で、気圧は風圧で。
今は厳しいですが、葉巻やたばこを新幹線で吸うと換気がプアなので
とんでもないにおいが車内に充満しますが、
飛行機の場合は瞬時に機外に放出されます。
窓でも開いたら、人でさえ吸い出されるぐらいなものですから。
ですから、必要なもの以外はすべて捨てているのです。
気圧を上手に制御できない747ジャンボは御巣鷹に墜落してからというのも
特に当事者の日本航空は気圧さえあげなかったら後部隔壁が破壊しなかったので
墜落しなかったとばかり下げまくりました。
そのころ週1で2回乗ってたのでものすごくつらかったですね。
で、よほどのことがない限り、すこしましなANAに乗ってましたが。
最近の飛行機(767とか777とかエアバス)はかなりまともな気圧調整をしてくれると
思っています。気圧もだいぶ高そうです。
とにかく、ポテトチップスの袋や飲み物の入れ物をみてると
自分の体も倍くらいに膨れたり収縮してると思うと、  ですよね。

投稿日時 - 2012-08-28 21:28:56

お礼

有難うございます。
御巣鷹山の事故との関係は、初耳です。そういうこともあったのですね。

投稿日時 - 2012-08-29 20:44:07

ANo.3

機内と外の気圧差が大きいと機体が膨張する力で金属疲労が起きてしまわないように低めの気圧に設定されています。

機体の強度が上がれば気圧を上げることが出来ます。
最新のボーイング787はカーボン素材を機体に使うことで従来機より気圧を上げたり、湿度を上げることが出来るようになり快適な機内環境を実現しています。

http://news.mynavi.jp/articles/2012/01/31/787_2/index.html

投稿日時 - 2012-08-28 21:15:56

お礼

有難うございます。
なるほど。この問題は、新しい技術で改善を図られているのですね。

投稿日時 - 2012-08-29 20:39:39

ANo.2

旅客機は高度約1万メートルの上空を飛んでいます。外の気圧は?物凄く低いことは間違いありませんね。機内も外と同じ気圧になっていたら人間は死んでしまいます。

なので、旅客機は飛行中に機内を与圧して、外気よりは相当高い内部気圧を保っています。つまり、内側と外側で気圧差があるということ。地上では中も外も同じ気圧ですから、そうなると上空では機体が圧力差で膨張することになります。そして地上に戻ってくると収縮する。それが繰り返されます。

今よりも更に与圧を高くすると、上空での膨張率が更に上がることになります。これが何を意味するかと言うと、機体の安全性と寿命に影響するということです。旅客機は、この安全性・寿命(=経済性)と乗客の快適性のバランスを考えて今の与圧圧力に設定されているというお話ですね。

投稿日時 - 2012-08-28 21:14:56

お礼

有難うございます。
単に圧力差が大きくなりすぎるというだけでなく、繰り返しも問題になるのですね。

投稿日時 - 2012-08-29 20:37:35

ANo.1

 10,000mを超える上空は気圧が低いわけです。与圧(実際は減圧)しないと、機体が膨張して「破裂」してしまうからじゃないですか。

投稿日時 - 2012-08-28 21:07:16

お礼

有難うございます。
矢張り機体の強度による制限ということでしょうか。

投稿日時 - 2012-08-29 20:34:18

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