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解決済みの質問

相続放棄と遺贈

被相続人に借金が多いため、相続人には被相続人が死亡後、相続放棄をさせます。その上で、遺言書に相続させる遺言ではなく、特定遺贈という形で財産を遺贈すれば、相続人は相続放棄をしても、この遺贈財産は受け取れるのでしょうか?

債権者にとっては不利益になるような行為ですが、法律上可能なのでしょうか?

投稿日時 - 2008-09-05 00:39:09

QNo.4304543

困ってます

質問者が選んだベストアンサー

 相続放棄により,その人ははじめから相続人にならなかったことになります(民法939条)から,いわば被相続人とは他人です。
 そして,その者への特定遺贈(民法964条)は,生前であれば詐害行為取消権(民法424条)の対象となる詐害行為でしょう。

 そこで,遺贈が詐害行為取消権の対象となるかが問題となります。
 これについても判例は見当たりません。
 しかし,詐害行為取消権について,424条2項は,「財産権を目的としない法律行為については、適用しない。」と規定しているところ,特定遺贈は,単に,一方的意思表示であること及び遺贈者の死亡時に発生するという点のみが通常の贈与と異なるだけで,財産権を目的とした行為であることは明らかです。

 よって,仮に遺贈を受けたとしても,詐害行為取消権の対象となるのではないでしょうか。


【民法】
(詐害行為取消権)
第424条 債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者又は転得者がその行為又は転得の時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。
2 前項の規定は、財産権を目的としない法律行為については、適用しない。

(相続の放棄の効力)
第939条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。

(包括遺贈及び特定遺贈)
第964条 遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。ただし、遺留分に関する規定に違反することができない。

投稿日時 - 2008-09-05 01:57:34

お礼

わかりやすいご説明ありがとうございます。条文も参考になります。やはり詐害行為になりますよね。

投稿日時 - 2008-09-12 00:48:20

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回答(2)

ANo.2

 それは,許されないと考えます。

 相続放棄は,被相続人から,財産的利益も債務も受けず,相続関係から離脱することの意思表示です。特に債務超過の場合の相続放棄は,債務を免れるために自らが相続財産から受ける利益を放棄するという意思であることは明らかでしょう。
 すると,この意思には,当然に,相続財産からの利益である遺贈の放棄の意思も含まれていると考えられます。
 特定遺贈だけは受ける意思だという主張に対しては,その特定遺贈の物にあまり財産的価値がなく,実質的に形見分けのようなものである等,特段の事由がない限り,信義則上(民法1条2項)そのような主張はできないと言えるのではないでしょうか。

 余談ですが,遺贈に対して詐害行為取消権を行使できるとしても,遺贈の法律行為の時期が問題になると思います。
 これは,遺言状を書いた時点か,それとも効力が発生する死亡の時点かと言えば,意思表示があったのは,前の時点でしょう。すると,詐害行為取消できる債権は,遺言より前に発生していたものに限られることになります。
 そして,その時点で詐害意思があった,つまり遺言状作成時点で債務者が無資力であった場合でなければ,詐害行為は認められないことになります。
 そうすると,家や土地などの特定財産を入手した時点で遺言状を作成しておけば,将来的に無資力になって多額の借金を抱えたとしても,相続放棄した相続人に財産を残せるということになってしまい,明らかに不都合ではないかと思われます。

 余談ついでに,廃除した子どもに対する遺贈であればどうか,という問題もありそうですが,やはり個別の事情を総合的に見て,廃除が偽装ではないか等判断することになるのではないかと思われます。

投稿日時 - 2008-09-05 12:54:40

お礼

やはり最後は信義則上許されないとなりそうですね。余談についても参考になりました。分かりやすく説明していただきありがとうございました。

投稿日時 - 2008-09-12 00:52:41

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