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解決済みの質問

外需依存はうそ?

このサイトを見ると外需が占めるGDPはたったの1.6%。あれだけメディアが外需依存というのはなぜかと疑問が湧いてきました。

投稿日時 - 2008-08-11 07:39:22

QNo.4243063

暇なときに回答ください

質問者が選んだベストアンサー

2002年以降の景気回復局面では外需の寄与が重要でした(1)。
実質成長率の内訳では外需の比率が50%を越えていた時期もあります。
内需の中でも、旺盛な海外需要を受けた
民間企業設備投資が内需を先に牽引した面がありました。
そういう観点では「外需依存の景気回復」というのに根拠がないとは言い切れません。

2002年辺りから輸出や投資収益が急速に拡大して、
経常収支の黒字の規模が大きくなりました(2)。
ただし、経常収支の黒字とは、広義の資本の海外流出と等しい関係で、
いわばモノの黒字≒カネの赤字ということになります。
それだけ多くのマネーが海外に移動して、
円が安くなったということでもあります。

輸出額/名目GDPの数値で見るなら、
日本は世界の中でも非常に貿易依存度の低い国ともいえます(4)。
「わが国は世界の中でも貿易に依存しない、比較するなら鎖国に近い」
などという言葉を発した評論家は聞いたことがありませんが、
少なくても日本だけが特別な貿易立国ということはないようです。
この数字は人口が少ない小さい国で大きくなる傾向があり、
アメリカや日本のように経済規模が大きく地理的に離れた国で小さくなります。
輸出額の中にも石油や鉄鉱石、中間部品といった輸入原材料の価格が含まれるため、
GDP中に「占める割合」ではなく目安の比率です。
人口の少ない国では100%を超えてしまうことさえあります。
近年この比率が急上昇していますが、
円安や輸入原材料が高くなった時にこの比率は高くなり、
円高の時には低くなる傾向があります。

輸出のGDPに占める割合はそれほど高くないのに、
内需が振るわず、外需だけが不相応なまでに成長率を引っ張っており、
持続可能性が危ぶまれるという意味で、外需依存といわれることもあります。

(1)2002年以降の景気回復局面では外需が重要な役割を果たした
1995年 内需+2.5%(うち企業設備+0.5%)+外需-0.5% = GDP+2.0%
1996年 内需+3.2%(うち企業設備+0.2%)+外需-0.5% = GDP+2.7%
1997年 内需+0.5%(うち企業設備+1.2%)+外需+1.0% = GDP+1.6%
1998年 内需-2.4%(うち企業設備-1.0%)+外需+0.4% = GDP-2.0%
1999年 内需+0.0%(うち企業設備-0.6%)+外需-0.1% = GDP-0.1%
2000年 内需+2.4%(うち企業設備+1.0%)+外需+0.5% = GDP+2.9%
2001年 内需+1.0%(うち企業設備+0.2%)+外需-0.8% = GDP+0.2%
2002年 内需-0.4%(うち企業設備-0.7%)+外需+0.7% = GDP+0.3%
2003年 内需+0.8%(うち企業設備+0.6%)+外需+0.7% = GDP+1.4%
2004年 内需+1.9%(うち企業設備+0.8%)+外需+0.8% = GDP+2.7%
2005年 内需+1.7%(うち企業設備+1.3%)+外需+0.3% = GDP+1.9%
2006年 内需+1.6%(うち企業設備+0.6%)+外需+0.8% = GDP+2.4%
2007年 内需+1.0%(うち企業設備+0.3%)+外需+1.1% = GDP+2.1%
(内閣府より、暦年実質成長率の寄与。ちなみに昔は外需の寄与は大きくなくて、
高度成長期半ばまではマイナスになることが多かったらしい。
昭和63年通商白書の↓図も参照。
http://www.chusho.meti.go.jp/hakusho/tsusyo/soron/S63/2-5-5z.htm
http://www.chusho.meti.go.jp/hakusho/tsusyo/soron/S63/2-5-6h.htm
)

(2)経常収支黒字拡大の背景には総合的な円安がある
1995年 経常収支/GDP+2.1% 実質実効為替レート149
1996年 経常収支/GDP+1.4% 実質実効為替レート125
1997年 経常収支/GDP+2.3% 実質実効為替レート118
1998年 経常収支/GDP+3.1% 実質実効為替レート121
1999年 経常収支/GDP+2.6% 実質実効為替レート136
2000年 経常収支/GDP+2.6% 実質実効為替レート141
2001年 経常収支/GDP+2.1% 実質実効為替レート125
2002年 経常収支/GDP+2.9% 実質実効為替レート118
2003年 経常収支/GDP+3.2% 実質実効為替レート119
2004年 経常収支/GDP+3.7% 実質実効為替レート120
2005年 経常収支/GDP+3.6% 実質実効為替レート112
2006年 経常収支/GDP+3.9% 実質実効為替レート102
2007年 経常収支/GDP+4.9% 実質実効為替レート 95
(経常収支/GDPはIMFより。1980年代から日本は大きい経常黒字が恒常化し、
1990年代前半までは経常収支不均衡が日米貿易摩擦の火種だった。
実質実効為替レートは、日銀より、1973年3月=100とする指数、各月平均から計算。
対複数通貨・インフレ調整済みの総合的な為替レート。高いほど円高、低いほど円安。)

(3)東アジア・中東諸国は経常収支/GDPが大きい
サウジアラビア 経常収支/GDP+26.8%
シンガポール 経常収支/GDP+24.3%
UAE 経常収支/GDP+21.6%
マレーシア 経常収支/GDP+14.0%
香港 経常収支/GDP+12.3%
中国 経常収支/GDP+11.1%
台湾 経常収支/GDP+8.3%
タイ 経常収支/GDP+6.1%
ロシア 経常収支/GDP+5.9%
ドイツ 経常収支/GDP+5.6%
日本 経常収支/GDP+4.9%
フィリピン 経常収支/GDP+4.4%
カナダ 経常収支/GDP+0.9%
韓国 経常収支/GDP+0.6%
ブラジル 経常収支/GDP+0.3%
フランス 経常収支/GDP-1.3%
インド 経常収支/GDP-1.8%
イタリア 経常収支/GDP-2.2%
イギリス 経常収支/GDP-4.9%
アメリカ 経常収支/GDP-5.3%
オーストラリア 経常収支/GDP-6.2%
スペイン 経常収支/GDP-10.1%
(IMFより、2007年、予想値含む。東アジア・中東諸国の経常収支は黒字が大きい。
言い換えれば、東アジア・中東からアメリカにマネーが流れており、
アメリカは東アジア・中東のマネーに依存している)

(4)日本の貿易依存度は、世界的に低い?
1 シンガポール(2005) 輸出/GDP243.03%
2 香港(2005) 輸出/GDP197.91%
4 マレーシア(2005) 輸出/GDP123.39%
8 UAE(2005) 輸出/GDP94.33%
22 タイ(2005) 輸出/GDP73.63%
26 オランダ(2005) 輸出/GDP71.22%
41 サウジアラビア(2005) 輸出/GDP60.68%
47 フィリピン(2005) 輸出/GDP47.32%
88 韓国(2005) 輸出/GDP42.5%
95 ドイツ(2005) 輸出/GDP40.12%
101 カナダ(2004) 輸出/GDP38.63%
103 中国(2005) 輸出/GDP37.46%
113 ロシア(2005) 輸出/GDP35.13%
141 イタリア(2005) 輸出/GDP26.32%
142 イギリス(2005) 輸出/GDP26.12%
143 フランス(2005) 輸出/GDP26.1%
155 インド(2005) 輸出/GDP20.54%
157 オーストラリア(2004) 輸出/GDP18.38%
160 ブラジル(2005) 輸出/GDP16.77%
171 日本(2004) 輸出/GDP13.36%
180 アメリカ(2005) 輸出/GDP10.05%
(GDP対比の財・サービス輸出。NationMasterランキング(187ヶ国中)より、原データは世界銀行。
http://www.nationmaster.com/graph/eco_exp_of_goo_and_ser_of_gdp-economy-exports-goods-services-gdp
その後、原油・資源高の影響で各国の「名目」の貿易依存度は
急に高くなったが、輸出数量はそれほど急速に上がっていない。
シンガポールと香港の数字が異常に高いのは再輸出の拠点であるため)

投稿日時 - 2008-08-13 07:32:51

お礼

ありがとうございます。お詳しく書いていただいたので非常に参考になりました。また質問させていただきます。ありがとうございました。

投稿日時 - 2008-08-17 10:19:54

ANo.3

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回答(4)

ANo.4

>メディアが外需依存というのはなぜか
#3さんが指摘しているように、外需依存という言葉は、たいてい、GDP成長率に対する外需の寄与を指します。

>外需が占めるGDPはたったの1.6%
#3さんが指摘しているように、こちらは貿易依存度と呼びますが、
大国ほど低いものです。
普通の国と、小国の貿易中継国であるシンガポールを比較することは意味がありません。

投稿日時 - 2008-08-16 01:17:56

お礼

ありがとうございます。すいません。不勉強でした。もっと詳しく調べたいと思います。ありがとうございました。

投稿日時 - 2008-08-17 10:41:24

ANo.2

どこまでが依存でどこまでが正常なのかなど基準などはなく、結局は主観的な分析なのですがそれを踏まえた上で私見を述べます。

個人的には、マスコミによる企業バッシングの一種だと思っています。
80年代90年代のノリで内需内需と言っている人も多くいますが、彼らの主張は実情と一致してないと思います。

賃金を増やせば内需中心の経済が発展すると言いますが、資源も食糧も輸入に頼るわが国でそのようなことをすれば経常赤字になるだけです。
賃金は労働の対価で有るべきで、日本の真ん中から下の人たちの賃金は世界の賃金水準と比べて低いわけではありません。(上のほうは海外の方が高いです)

投稿日時 - 2008-08-12 22:54:33

お礼

ありがとうございます。<賃金を増やせば内需中心の経済が発展すると言いますが、資源も食糧も輸入に頼るわが国でそのようなことをすれば経常赤字になるだけです。 本当にそうですね。内需が少し回復しても、プラマイゼロですね。ならこのままの状態がいいんでしょうか。ありがとうございました。

投稿日時 - 2008-08-17 10:11:18

ANo.1

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_02.html
1.6%というのは、上記の例で言えば
純輸出対GDP比率 1.6%
このことですね?

外需依存というのは
輸出対GDP比率 14.8%
こちらの話になりますので、かなりの比率で外需依存です。

投稿日時 - 2008-08-12 00:38:55

お礼

ありがとうございます。すいません。載せるのを忘れてました。あげていただいたサイトです。ありがとうございました。

投稿日時 - 2008-08-17 09:45:06

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